第五幕

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 きっと、彼女は、家族に対して、複雑な思いを抱いていたんだろう。  兄を優先する親への怒り、兄への嫉妬。  それでも愛した家族。  そしてそれを理解して自分を支えてくれる友人立ちへの感謝と信頼――。  それは、誰にだってありうる感情の生起。  日記には姑獲鳥への恐怖も、垣間見えた。  死への恐怖――。仲間を失うことへの恐怖。  そして実際に失ったことへの悲しみ。  それでも彼女は戦った――。自分の意志で。    生々しく、響く彼女の文字。そこからは彼女が徐々に戦うことに意味を見出していく様子が感じられた。
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