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そんなことがあるのか、そんなに、あっさりと。人は意思を変えるのか。
これはまるで、まるで――
――知っておろう、これは呪いだ。
ぞくりと、背中に悪寒が走った。
この体に流れる血が、大変恐ろしく感じられたのだ。
「健、本気で…言っているのか?」
「…。」
以前、爽矢さんが言っていた言葉がリフレインする。
――いきなりわけのわからない生き物と渡り合え、そのために超人的な力をもった人間を制御してまとめろ。そんなことを普通の高校生が言われたらどうなると思う?混乱の極みだ。
――お前も受け入れている。自分の異常な状況を。違うか?
――お前はわかっている。これは実際に行われる戦いだ。それからお前は逃れられない。
おかしい。
おかしい。
この家は、おかしい――。
自分はおかしくなっている。
そう頭ではわかっているのに――。なんで、抵抗感がわかないんだ。
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