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「なんや、雄一と健は初対面やったか。」
爺様がそう問いかけると、雄一さんは視線を健に向けたまま、頷いた。
鋭く光る刃のような瞳が、僕を挟んで向こうにいる健を射抜く。
しかし、さすが爺様。そんな剣呑な雰囲気をすこしも気にしない。
のんびりとした口調で健に話しかける。
「そうかそうか。健、これは儂の右腕の御剣雄一や。よろしくやってくれ。」
しかしそんな朗らかな爺様と対象的に、雄一さんの視線の鋭さは凄みを増す。
そんな雄一さんに健は警戒心をむき出しにしている。
しかし背丈が頭一つ分以上雄一さんより低い健が顎を引いて雄一さんを睨んだって、蛇に睨まれた蛙のようにしか見えない。
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