第六幕

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「久しうございます、高天様。お初にお目にかかります、菊端殿。」  慇懃に挨拶をする雄一さん。健も「どうも」とだけ返す。警戒心は解こうとしなかった。 「どうして雄一さんと健也さんがここに?」 「二人は御剣家の幹部であり、御剣家と神薙家の有する道場の管理者でもある。そして高天とも顔見知りや。今後、高天らが幹部になるにあたっての後ろ盾として連れてきたんや。」  僕の質問への爺様の回答。それに対して微笑みで応じる健也さんと、無表情のままの雄一さんは対象的だ。  それにもう50歳に届くであろう健也さんに対し、雄一さんはまだ30歳くらい。年齢的にも不釣り合いな二人だ。  他にも顔見知りの幹部はいるのに、何故この二人を選んだんだろう?  僕が疑問に感じていると、健は違うところで引っ掛かりを感じていたようだ。 「幹部?」  聞きなれない言葉に眉をしかめる健。   
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