第六幕

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 幹部だなんて、どこかのやばい組織みたいだ。健がいぶかしむのも無理からぬことだろう。  この御剣家はいくつかの武術道場を有している。その運営にかかわる者は幹部として、御剣家当主の爺様が呼びかけて開かれる幹部会で集まっている――らしい。  僕も高校生になってからはまだ幹部会には参加したことがないので、幹部全員と面識はない。    僕がその幹部会に行くのを渋っていたし、爺様自身もあまり積極的に幹部と会わせようとはしていなかったように思う。  まあまず座ろうと爽矢さんが声をかけ、机にみんなでついたところで、爺様が先ほどの健の問いに答えた。 「幹部言うんは、御剣家の秘密、つまり姑獲鳥のことを知っており、その上で姑獲鳥と哨戒士の戦いを支援する準備をする御剣家の人間――その中でもとりまとめの役を担う。 儂はもちろん、この二人と爽矢は皆幹部や。」  爽矢さんは、爺様の説明にうんうんと頷いている。健也さんは頬を掻きながら照れくさそうに微笑んだ。  雄一さんは無表情で健を見ている。 「それまでの哨戒士と関わりのある者がなることが多い。爽矢以外の儂ら3人とも、そうや。」
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