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「三人ともですか?」
「ああ。儂は先々代、健也は先代と面識がある。そして雄一は――。」
爺様がそこで一旦言葉をとめ、伺うように雄一さんの方をちらりと見た。雄一さんはわずかに首を縦に振って、後の言葉を引き継いだ。
「私は史上で初めての哨戒士の子どもであるとされとるんです。」
無表情でそう告げる雄一さんの表情は相も変わらず。その鋭い視線も、ピンと伸びだ背筋も変わらない。
まるで業務連絡するように淡々と放たれた言葉に、一瞬その意味の理解が遅れた。
「…え?」
思わずそうもれた問いかけは無理からぬことだと思う。
健も眉を潜めて、言葉の意味をはかりかねているようだった。
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