第六幕

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 高く、高く浮き上がる。  もっと、もっと高みに行ける。  そんな感覚。  でも、それをしてはいけないと、私は知っている。  それ以上跳んではいけないよ――。  そう、自分の中の誰かが呟いている感じ。  そうして自分の力を抑えこまれている感じ。  そんな抑制を振りほどいて、跳びたい気持ちと、それをすることでなにかが決定的に変わってしまう予感による恐怖――。その相対する気持ちが常に私の胸の中にある。  どこか不安定な自分の心は一体どうすれば落ち着くのか――。
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