第六幕

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 同じ歳なのに、どうしてだろう。この子の事すごく年下に感じる。  否、この子だけじゃあない。  クラスの子も、先輩すらも、どこか私より幼いように思える。  不遜だとわかっているから慇懃にふるまっているけれど。でもどこかで本心が漏れ出ているのか、同級生からは大人っぽいと評され、先輩からは頼りにされるか可愛げがないといわれるかのどちらかだ。  部活でも、女の先輩からは結構厳しい言葉を掛けられている。  まあ、それも私が本気で跳べていないからでもあるけれど…。  ねえ、早くきてよ。  心の中で、私が待っているだれかに声をかける。当然返事はないのだけれど――。  でも、私は焦っている。早く来てほしいと願ってる。
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