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「まあ、菖蒲のことはまた幹部会でも聞いてみるとしよう。」
「そうやな。ああ、あと封印のほうももう一回かけてくれや。」
「わかった。」
爽矢さんの返事に爺様は満足げに頷いた。
封印――。そういえば以前にもそんな話が出てたな。
「封印って、僕にもできるんですか?」
思わずそう口走っていた。爺様は少し驚いたように僕のほうを見やる。
爽矢さんも、右の眉を少し上げた。
「なんなら来るか?一緒に。」
「え?いいんですか?」
「まあ、支障はないだろう。確かめたいこともあるし――。まさかお前から封印についてくるというとは思わなかったが。来週の日曜、暇か?」
「ええ。」
「それなら行こう。10時に上賀茂さん集合で。」
「え、上賀茂?」
上賀茂神社って…バスで行く以外の手立てがないんだが。地味に遠いんだよな。本家からは。
「ああ、上賀茂の…馬の前で。」
「馬?」
「うん、馬。じゃあ今日は遅いから解散!」
「え、馬?馬ってなに?」
「行けばわかるよ。」
それだけいうとさっさと爽矢さんは出て行ってしまった。
馬って何?
そんな疑問を視線に乗せて爺様を見ると爺様は大爆笑をしていた。
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