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「今のは…。」
「封じがなされているかを確認する術だ。俺は術式の才能が皆無だからな、口上と身体の一部が必要なんだよ。」
ということはさっきの光の筋は…。
「さっきお前にも見えただろう?光が追っていったのが封じの痕跡だ。」
「これ、手品とかじゃあないですよね…?」
恐る恐る訪ねると、爽矢さんがはすこし呆れたように僕を見やって
「なわけないだろう。」
今までは不思議な話を聞いたり、超人的な力を目の当たりにしていたが、こんな超能力のような力は初めて見た。
「爽矢さん、こんなこともできるんですね…。」
「やろうと思えばお前もできるよ。それより今はもっと大事なことがある。
さっきのは封じができているかを確認するための術式だったんだが、確かに封じはすでに施されていた。この封じは東西南北順番にやることで効果を発揮する。
ここ以外の3か所は俺が封印をした――。この最後の一か所だけ他の誰かがやっている。」
そういうとじっと僕と健を見つめた。
「当然、お前ら二人じゃないよな?」
「やり方も知らないよ。」
「同じく。」
健が頷く。
答えを聞いて、爽矢さんは再び考え始めた。
「そうなると、やはり可能性が高いのは――菖蒲。あいつがここに来たってことか。」
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