第八幕

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 しばらくするとまた携帯が震え、爽矢さんからの返信を知らせた。  ただ一言、「承知した」と。  武士みたいな人だな。  幹部会ーー。知っている人も参加するならいいけど。  話す内容は菖蒲のことだろうか。  菖蒲。前の代の時の記憶を持っている哨戒士。  もし、今の菖蒲も記憶を持ってるならどうして出てこないんだろう?  そもそも前世の記憶をずっと持っているというのはどんな気持ちなんだろう? 「何考えてるんや?御剣。」  ぼけっとしてる僕の顔を覗き込んでくる亮介。  ふと彼に聞いてみたくなった。 「なあ、お前が前世の記憶持ってたらどう?」 「え、なにその厨二病チックな質問。」 「いいから。どう思う?」  亮介は訝しむ様子を見せつつ、真剣に考えてくれた。腕を組み、少しの間、教室の天井を凝視する。  そして 「心を病む、かな?」 「え?」  予測外の答えに、思わず素っ頓狂な声が漏れた。 「そりゃ、アニメとか漫画の世界だとそういう設定はよくあるやん?前世の記憶を持った主人公が前世にやり残したことをやっていく!とか。 でも現実的に考えてみいや。前世って、つまり死んだ人間の一生分の記憶っていうことやろ? 嫌やわ、そんなん。死ぬ瞬間とか覚えてるかも知れへんねんやろ?」
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