第八幕

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「そうやろうか?菖蒲様は確かに先見の目がある。しかしあの協調性のなさ――。あの方がいることの利点いうたら一代前の姑獲鳥の情報が手に入るのと、戦術が立てやすいことくらいやろ。」 「その戦術こそが何よりわれらに必要なのでしょう?」 「しかし結局は他の哨戒士もあの方も姑獲鳥に殺されている。」 「だが少なくとも御剣の本家は守られている…。瑠璃姫達が眠りにつくまで持ちこたえられているのはあの方の功績が大きい。」  口々にみんな自分の意見を話す。爺様と爽矢さんはそれを黙って聞いていた。  次第に話は白熱してくる。 「そもそも見つけようにも、既に御剣家も神薙家も年頃の子供らは調べた。」 「もしや既に亡くなっているのではないか?」 「そんなことがあり得るのか?」 「寧ろ逃げているという方がしっくりくるが。」 「確かに。」 「ははは。」 「おい。」  揶揄するような笑いが起こると、爽矢さんが口を挟む。静かだが明らかに低く威圧する声音に、場は一気に静まり返った。 「ちょい黙れや。」
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