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怒ってる。明らかに爽矢さんが怒っている。
爺様を間に挟んでも、その怒気がピリピリ伝わってきた。
爺様も厳しい表情だ。明らかに機嫌が悪い。
他の面々もそれを感じ取ったのだろう。“まずい”という表情だ。
早苗さんが”ふう”と深い息を吐いてこの緊張した空気をこらえようとしている。
爽矢さんがゆっくりと口を開いた。
「お前らが、俺らの何を知っとる?あ?」
「…。」
「菖蒲は、確かにあいつは厄介で面倒なやつや。
自由気まま、個人主義。せやけどあいつは肝が据わっとる。
それにな、お前ら何人かかってもあいつのお頭にかなわんわ。ここであいつ馬鹿にしよったやつは、自分のほうが賢いて思おとるんか?あ?」
誰も何も言い返せない。沈黙が場を支配した。
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