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その言葉に動いたのは爺様だった。
「今は持っとらんけど、あるで。でも見た目はほとんど人やからあんま意味はないやろ。
それにやつら自由に擬態できるからなあ。」
顎を撫でながらどうしたものかとブツブツ言いながら考え込む。
「擬態…つまり姿かたちを変えられるってことですか?」
「察しがええな高天。だからこそ奴らは歴史に関係してくるんや。
実際何度か国の要人を殺害しなり替わったことがあった。」
「例えば?」
爺様は少し考えるそぶりを見せ数人、外国人の名前を挙げた。
「知っとるか?グレゴリー・ラスプーチン、それからナチスのハインリヒ・ミュラー。」
ミュラーという人はともかくラスプーチンという名前には聞き覚えがある。アニメか漫画で出てきた。
「ラスプーチンは知ってます。確か、ロシア帝国の破滅を招いた男でしたね。」
「まあきっかけにはなったんやろう。
ロシアがまだ王政をとっていたとき、当時の王家に気に入られ取り入った男や。
ロシア革命を陰で引き起こそうとしとったらしいわ。まあこれは御剣家の記録の残ってるだけで儂は知らんけどな。」
「…。」
なんか今さらっとすごいことを聞いた気がする。
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