第三幕

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 その言葉に動いたのは爺様だった。 「今は持っとらんけど、あるで。でも見た目はほとんど人やからあんま意味はないやろ。 それにやつら自由に擬態できるからなあ。」 顎を撫でながらどうしたものかとブツブツ言いながら考え込む。 「擬態…つまり姿かたちを変えられるってことですか?」 「察しがええな高天。だからこそ奴らは歴史に関係してくるんや。 実際何度か国の要人を殺害しなり替わったことがあった。」 「例えば?」  爺様は少し考えるそぶりを見せ数人、外国人の名前を挙げた。 「知っとるか?グレゴリー・ラスプーチン、それからナチスのハインリヒ・ミュラー。」  ミュラーという人はともかくラスプーチンという名前には聞き覚えがある。アニメか漫画で出てきた。 「ラスプーチンは知ってます。確か、ロシア帝国の破滅を招いた男でしたね。」 「まあきっかけにはなったんやろう。 ロシアがまだ王政をとっていたとき、当時の王家に気に入られ取り入った男や。 ロシア革命を陰で引き起こそうとしとったらしいわ。まあこれは御剣家の記録の残ってるだけで儂は知らんけどな。」 「…。」  なんか今さらっとすごいことを聞いた気がする。
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