第三幕

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「あと最終的に確認は取れんかったが、ベトナム戦争開戦を決めたアメリカの政治家の中にもいた言われとるわ。」 「…今の話聞いてると、何体もいるんですか、その姑獲鳥は。」  健が言葉を選ぶようにゆっくりと聞いた。  確かに、ラスプーチンとかいろんな名前が出てきた。でも最初は貴族に飼われていた一匹の話だった。どういうことだ? 「生き物である限り繁殖はする。 初代の高天が殺した個体は子供を産んでいた。今俺たちが把握している姑獲鳥たちはその子孫だと思われる。」  爽矢さんがそれに答えた。爺様も横で頷いている。 「具体的個体数は正直分からん。だが姑獲鳥はコロニーを形成する生物で、今確認されているコロニーは2つある。」 「コロニーて群れってことですよね?てことはかなりの数いるんじゃ…。」  自分の声が震えているのがわかった。だってそんな化け物がたくさんいたら人間はひとたまりもない。
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