第三幕

14/22
前へ
/270ページ
次へ
「いや、群れといってもほとんど家族程度の大きさだ。その家長に俺たちは名前を付けている。今確認されている2つのコロニーの家長は(あかね)瑠璃(るり)。 俺たちが特に注意すべきは瑠璃の方だ。」 「何故?」 「瑠璃のコロニーは積極的に人間の社会に入り込む特徴がある。規模も大きい。」 「そんなやつをどうやって倒すんです?」  僕の質問を、爽矢さんは一笑にふした。 「倒すなんて考えてねえ。 俺たちがやるべきことは奴らを人間社会から追い出すことだけだ。まあそれが難しいんだが。」 「具体的になにするんですか?」  健の声は震えたままだ。そんな健を爽矢さんはじっと見つめている。爺様も真顔だ。しばらく逡巡するそぶりを見せた後、爽矢さんは口を開いた。 「…暗殺。」
/270ページ

最初のコメントを投稿しよう!

331人が本棚に入れています
本棚に追加