第三幕

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 あんさつ。  まるで聞いたことのない言葉のように思えた。その言葉を漢字に変換するのに数秒要した。そして言葉の意味を理解した瞬間、恐ろしさに身が震えた。 「暗殺って…。倒すわけじゃないってさっき言ったじゃないですか!」  思わず声を荒げていた。  だが爽矢さんは落ち着いている。 「そうだ、倒すわけじゃない。暗殺っていうのは表の世界から奴らを引き摺り下ろすってことだ。本当に殺さなくてもいい。」 「どういうことですか?」 「人間社会で生きられなくする。 例えばさっきいったラスプーチン。ラスプーチンは死んでるよな? でも実際にラスプーチンを名乗り人間社会に紛れ込んだ個体はまだ生きている。ただラスプーチンが殺されてしまったことで、その仮面は使えなくなった。 つまり表の顔をつぶす。それだけだ。」 「どっちにしてもそれ、危険が伴いますよね?」 「それなりにな。」
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