331人が本棚に入れています
本棚に追加
/270ページ
あんさつ。
まるで聞いたことのない言葉のように思えた。その言葉を漢字に変換するのに数秒要した。そして言葉の意味を理解した瞬間、恐ろしさに身が震えた。
「暗殺って…。倒すわけじゃないってさっき言ったじゃないですか!」
思わず声を荒げていた。
だが爽矢さんは落ち着いている。
「そうだ、倒すわけじゃない。暗殺っていうのは表の世界から奴らを引き摺り下ろすってことだ。本当に殺さなくてもいい。」
「どういうことですか?」
「人間社会で生きられなくする。
例えばさっきいったラスプーチン。ラスプーチンは死んでるよな?
でも実際にラスプーチンを名乗り人間社会に紛れ込んだ個体はまだ生きている。ただラスプーチンが殺されてしまったことで、その仮面は使えなくなった。
つまり表の顔をつぶす。それだけだ。」
「どっちにしてもそれ、危険が伴いますよね?」
「それなりにな。」
最初のコメントを投稿しよう!