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爽矢さんの言葉の後、またしばらく健は逡巡し
「断る、と言ったら?」
健の言葉に爽矢さんは頭をかく。
「まあ、普通そういうわな。
でもな健。普通ここまでついてくることも拒否するんだよ。本当に断ろうってやつは。
でもお前はここまできた。なんでだ?」
「それは…。」
「自分の身体の異変が気になったから?いや、お前は話しの飲み込みが早い。
普通の中学生ならもっと反抗するはずだ。なのにおとなしくここまで来たってことは自分の宿命を受け入れてるんだよ。」
「ちがっ!」
「違わない。お前はわかってる。血が、魂が、そう告げているから!」
「そんな理由で俺を巻き込むのか?この意味不明な…生き物に!?ごめんだね、嘘くさい。本当だとしても俺は関わらない。」
「ならばお前はその地獄耳と一生付き合っていかなきゃいけない。結局耐え切れず自殺だ。」
「耳は治った!」
「一時的なものだ、高天から離れればもう一度あの地獄へ逆戻り。」
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