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健がそれに対し何か言おうとしたが結局声は出ず、口を何度かパクパクと開閉した後、下唇を噛んで恨めし気な目を爽矢さんに向けた。
「…同じ哨戒士として同情はする。でもなこれは受け入れろ。」
そういわれても健は反応しなかった。ただ黙って下を向いていた。
しばらくそうしていたかと思うとすっと顔を上げて
「帰ります。」
そういうと止めるのも聞かず部屋を出ていく。
「おい健!」
「放っておけ。」
そんな僕を爽矢さんは止めた。
「なんで?」
「どうせすぐ理解する。一人で考えさせてやればいい。」
その言い方に思わず頭に血が上った。
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