第三幕

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 健がそれに対し何か言おうとしたが結局声は出ず、口を何度かパクパクと開閉した後、下唇を噛んで恨めし気な目を爽矢さんに向けた。 「…同じ哨戒士として同情はする。でもなこれは受け入れろ。」  そういわれても健は反応しなかった。ただ黙って下を向いていた。  しばらくそうしていたかと思うとすっと顔を上げて 「帰ります。」  そういうと止めるのも聞かず部屋を出ていく。 「おい健!」 「放っておけ。」  そんな僕を爽矢さんは止めた。 「なんで?」 「どうせすぐ理解する。一人で考えさせてやればいい。」  その言い方に思わず頭に血が上った。
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