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「そんな理由で、哨戒士になってほしいから止めるんじゃない!心配だから追いかけたいんだ!」
「その必要もない。」
「何故?」
すると爺様が立ち上がり僕の肩に手を置いた。いつもの優しく、少し悲しい笑顔で。
「落ち着け高天。
健は今見とるかぎり敏い子や。今いきなりいろんなことが起こって混乱しとるけどな。すぐ自分で考えて戻ってくる。お前のやることはそれを待つことだけや。
それ以上は不要や。」
「だから何故?」
「お前は高天や。わからんか、お前の言葉は哨戒士の4人に影響を与える。
お前が戻って来いと言っても、哨戒士をやめろと言ってもその言葉は意味を持ってあいつを縛ってしまうんや。
その力は今日、実際に使って実感したやろ。」
「…。」
「わかったな。何もするな。」
「…じゃあ僕は、健に何も、何も言えないんですか。」
「今は言うな。」
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