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静かな声。そこから感情は読み取れない。なんなんだろう。
寂寥のような、いやそれよりも。辛さのような――。
健はその京太郎さんの目に気後れしている。
僕が声をかけられずにいると爺様が間に入ってくれた。
「京太郎、こっちは九頭龍の力を持つ神薙爽矢や。」
「ああ。これは大変失礼を。」
京太郎さんは爽矢さんに今初めて気が付いたような表情だったがすぐに取り繕い、笑顔で彼に手を伸ばした。爽矢さんはその手を握り、挨拶を交わした。
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