14 運命の変わる時 R18

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「いつも亜由美だけ見てる。  ……あそこまでされて、わかってないの?」  耳がくすぐったくて、赤くなった。 「だったらかなりショックかなぁ」  セリフのわりに屈託がない。 「オレはね、知ってた」 「…………何を?」 「亜由美がオレを大好きだって」 「!!」  刹那の衝撃。それから、 「うん。……知られてたの、知ってた」  家族の住むこの狭い一室で流れる穏やかな時間。あのマンションで、分かり合えた時のような充足感。  ラクして手に入れたわけじゃない。ここまでの道のりは、とってもとっても、大変だった。 「亜由美、結婚しよう」  やっと辿り着いた、幸せのキス。軽く、ついばむような……。 「…………ありがと、彼方」  提案を、呑んでくれた。  確かな約束。 「オレの実家のことで、いろいろ迷惑かけるかもだけど……」 「大丈夫だよ、アタシもね、うちの家族も、見た目よりずっと、適応力あるし、打たれ強いよ?」
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