14 運命の変わる時 R18

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 温かい手。そこから互いの愛おしさが行き来しているようだった。 「タクシーの中までの彼方には……アタシしかいなかった。  心配で、不安だったけど……なんていうのかな……頼ってもらえて、嬉しかったの」  ぎゅっ、着痩せする胸に頬を寄せる。 「……お願い。  アタシだけ、見てて?」  浅ましいなんてレベルじゃない。気のふれた発想だ。  そうわかっているのに、言わずにいられない。溢れ出て、止まらない。  彼方なら、きっと受け止めてくれると信じているから。 「………………はぁ」  返ってきたのは予想外の溜息だった。  奇妙ないたたまれなさに縮こまれば、 「大いに喜ぶべきか、懇々と説教するべきか」  悩むなぁ。  おかしさを堪えた口調に恐る恐る顔を上げる。  暖かな微笑みを浮かべた優しい瞳と、和らげられた口角。  すべてのヒトに自慢したいのに、誰一人、見せたくない。アタシの、男。
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