無意識の束縛

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毎年クリスマスは、俺と翔馬の二人で過ごしている。 それは、もう10年以上続いていた。 付き合っている訳ではない。 想い合っている訳でもない。 俺がただ、翔馬に恋心を抱いているだけ。 ただの幼馴染みだ。 けど、 「俺、今年は彼女と過ごすから。」 翔馬から告げられた一言。 当たり前だ、今年で17になった俺達が毎年毎年クリスマスを互いに過ごそうって事こそが寧ろおかしい。 寧ろ今まで、一緒に過ごしてくれてありがとう、そう思ってるのに。 「そっか」 この一言しか出てこなかった。 頭の妥協と考えが、上手く心とシンクロしない。 「仕方ないだろ…俺も、もう17なんだから」 翔馬は優しい、だから言い訳を探してる。 でも怒ってないから、放っておいて良いから。これ以上言い訳されたら反発してしまう。 「分かってるよ。別に言い訳する必要ないだろ、行けば良いよ。楽しんで。」 俺を面倒だと思わないでよ。 「何不貞腐れてるんだよ…!鈴次は俺にどうして欲しいんだよ…」
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