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彩芽はしばらく考えていた。
彩芽は母は早くに亡くしており、父と二人家族だ。
父は小さな町工場を営んでおり、その資金繰りの為にこの男に金を借りたのだろう。
でも何故娘をやくざに売るようなことをしたのだ。
その事に対して彩芽は憤慨していた。
しかし、目の前の今彩芽を抱きしめている男から逃げると言う事は、自分の父親を殺すことになると言う事を理解する彩芽だった。
彩芽は、もう二度と元の生活に戻れないと言う事を理解した。
その時彩芽の目から、一滴の涙が流れ落ちていた。
その瞬間から、彩芽は体から力が抜けていくのを感じていた。
男は「私は鬼頭正樹だ。彩芽、一週間後には結婚式を挙げる。君は私の物だ。いいね」と言うと鬼頭は、彩芽の唇に自分の唇を重ねる。
そして唇をこじ開けて自分の舌を入れてくる。
彩芽はまだ男性経験がない。
好きでもない男からキスをされても嬉しくなかった。
身体も何も感じない。
だが、拒絶したかった。それは無理だと分かっていても
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