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一瞬彩芽は鬼頭の身体を見て声を漏らした。
それを聞いた鬼頭は「ほう、私の身体に欲情したのかね」と声をかける。
彩芽は顔を真っ赤にしながら「いいえ違うわ」と答えるが顔は赤く紅色に染まっていた。
強引と思えるほどの鬼頭の愛し方に彩芽は翻弄されていく。
また、初めての彩芽を愛おしそうに見つめている鬼頭の瞳を、もう眠ってしまっている彩芽に見ることはできない。
お披露目の前日まで毎晩、毎晩鬼頭は彩芽を抱いた。
彩芽は、抱かれるたび鬼頭の背中に彫られている龍に爪を立てる。
毎晩抱かれていた彩芽の身体は、鬼頭の身体に馴染んでいく。
そして、身体は自然に鬼頭を求めていく。
お披露目の日に着物に着替えた彩芽はとても美しかった。
鬼頭の両親からもお褒めの言葉を頂く。
「ほう、なかなか美しい人だな。よく見つけたな」と父親の正義に言われた鬼頭は少し照れている様に見えた。
彩芽の前では決して見せない顔だ。
披露宴も最後の方になって鬼頭の母良美が彩芽の隣に来ていた。
良美は小さな声で話しはじめた。
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