よん

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取り敢えず、お母さんの言葉はスルーして、私はご飯が炊けているのを確認して、お握りを握った。 叶の部屋に行き、ノックする。 はい、と声が聞こえてドアを開けると、叶は英語の勉強をしていた。 おお、本当に単純だ。 「夕飯、食べてないよね?」 お握りとお茶を教科書の横に置くと、あ、と声を上げた。 有り難う、と、お握りを頬張る叶に尋ねてみる。 「一緒に留学してくれるの?」 ぐ、と詰まった叶は、苦しそうにして、お茶で流し込んだ。 「はぁ、……だって、折角、両想いになったのにさ、離ればなれなんて、嫌じゃん」 赤い顔でそっぽを向く叶に、私が言えた事じゃ無いけど、と前置きして。 「今から進路を変えたら、担任の小城(おぎ)っちに泣かれるよ?」 そう言うと。 「それでも、慧と一緒に行く」 そう言って、顔を近付けてくる。 そのまま重なった唇に、なら、と思う。 何がなんでも、一緒に合格出来る様に頑張ろう。 「一緒に勉強しようか」 そう言うと。 「嬉しいけど理性が持つかわからない」 ポツリと呟いた叶。 「一緒に合格したら、向こうで一緒に暮らせるね」 そう言うと。 「死ぬ気で頑張ります」 叶は教科書に向き合った。 んー、単純? でもそんな君と、これから先もずっと、また肩を並べて朝顔を眺めたいな。 君もそう思ってくれるかな?
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