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私の横に並ぶと、今帰りか?と聞いてくる。
弟と言っても、同い年だから私よりデカく、並ばれると見上げなくてはいけなくなるから、前に向き直って頷く。
そのまま黙って家に帰り、手洗いうがいを済ませると、2階のそれぞれの部屋に直行して入る。
暫く簡単な宿題を片付けて、夕食の支度をするのに1階に降りると、叶がテレビを見ていた。
両親は今年に入ってからずっと海外出張中で、家事は私が殆どやっている。
が、私が居なかったら叶はどうするつもりなんだろう。
「ごはん出来たよ」
声を掛けると、ああ、とキッチンに来て、黙々と食べる叶。
特に話をする事も無いが、別に仲が悪い訳では無い。
ま、仲良しメンバーの兄弟関係を聞くに、同性だと喧嘩ばかりしているそうだし、異性だと口をきくのが恥ずかしいらしく素っ気ないとの事。
だからこんなものだろう、と思う事にしている。
でないと、嫌われているだろう身では話も出来ない。
夕食後の食器洗いを済ませて、縁側に出て座り、庭の朝顔を見る。
ま、この時間じゃ花は萎んでいるが。
それでも、この時期になると私は朝顔を眺めに来るのがお約束になっている。
私達が小学生の時の観察日記用に育てたものの種を取っておいて、母親が毎年育てているのだ。
今年は種を植えて放置になっていたが、私のてきとうな世話でもぐんぐん大きくなって、綺麗な花を咲かせてくれている。
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