いち

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すると叶が隣に来て座った。 珍しい事もあるものだと思ったが、両親の不在の今、1人でリビングに居るのはつまらなかったのだろうか。 でも、隣に来ても黙っているのだけれど。 それでも、こうしてずっと側に居られれば良いのにな、と思い、無意識にすり寄る。 「そう言えば宿題に1日都内観察があったよね?何処に行くか決めた?」 何か話題を、と思い、そう言えば宿題があったな、と聞いてみると、突然何だよ、と言う顔をして。 「まだ」 と素っ気なく答え、スッと離れる。 「ふぅん」 一緒に行かないかと言おうと思ったが、鬱陶しがられているのか、と思い、立ち上がった。 「おやすみ」 「ああ、おやすみ」 素っ気無く言われてちょっと傷付きながら、なら1人で行くか、と、どうせなら明日行こうか、と考え。 私は自室に戻ると、クローゼットの奥から古いリュックを取り出し、出掛ける支度をしてさっさと眠った。 そして翌朝、机にメモを残して、まだ寝ている叶に何も言わずに家を出た。 さて、何処に行こうか。 都内なら、都心でも山でも良いらしい。 なら、山に行こうか。 誰も居ない所で、ゆっくりのんびりしよう。 最近、何だか精神的に疲れてるから。
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