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1、
華の高校生に放課後の旺盛とは、これはまた乙なものではないか。
星陵高校一年。名簿番号30番。この僕、春馬広人はそう供述する。
供述ってなると、なんだか僕が一つ事件沙汰をやらかしたみたいな事に聞こえるが、決してそんな疚しい事をしたという訳ではない。してはいないが、もしかしたら今のこの光景を誰かがみていたら…僕の知らぬ所で、僕は誰かの被疑者になっているのかもしれない。
…なんて、曖昧な事を言っているけど、実の所は只のお手伝いで、ただただクラスメイトの学級委員さんと学校名義の作業をしているだけなのだが。
「春馬君、ちょっとこっち持ってくれる?」
その呼びかけに僕は瞬時後ろを振り返った。僕は直ぐに笑顔を作る。
「うん。いいよ。ちょっと待ってね」
「ごめんねー手伝って貰っちゃって。本当は学級員の仕事だって言うのに…」
「ふふ。いいよ全然。放課後なんて予定作る事無いし。豊穣さんこそ、いくら学級委員と言えど、あんまり一人で仕事抱え込もうとしないでよ」
「ありがとう春馬くん」
そう申し訳無さげに僕に顔を向けると、随分ぶ厚い層になった冊子を僕に手渡した。…ん。割と重いぞ。
「ごめん重かった!?」
「いや…大丈夫…うん、…多分」
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