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そう言って、聡四郎は屋上から留美を連れ出した。
「ちょっと、なに考えてんの?」
「ごめん、動揺しちゃって……」
「びっくりしたわよ。 いきなり明日菜の本当の相方を探しに行くなんて」
「相方……? なんの話だ? ま、まさか……あの子、フィアンセ的なのでもいるのか!?」
「ふぃ、フィアンセって……あ、あんたバカじゃないのっ!! た、確かに明日菜は女の子らしいし、可愛いけど、そ、そんなふしだらなことあるわけ……ないじゃないっ!……」
留美は突然、顔を赤らめた。
留美の顔からは、彼女が考えている妄想が手に取るようにわかった。
「なに妄想してんだよ!」
「な、なに、言ってんのよ!も、も、妄想なんて、このわたしがするわけないじゃない!」
そういう留美の頬にうっすらと残った赤みはなんとも女の子らしかった。
「……で、相方ってなんなんだよ?」
「そ、それは、部外者のあなたには言えないわ」
「は? なんだそりゃ?ここまで恥ずかしい思いして教えてもらえないのか?」
「当たり前じゃない! あなたが勝手にこ、告白と勘違いしたんだから」
留美がそう言って、聡四郎の方を振り返った瞬間に、一切の紙片のようなものが制服からすり落ちた。
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