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「いらっしゃいませ」
寒河江さんのお店には寒河江さんがにこやかに出迎えてくれた。
一瞬驚いた表情をしたもののすぐにわたしと疾風におすすめを出してくれた。
「疾風くん久しぶり。いい男になったね」
サービスするよ。林さん、ふたりでゆっくりしてって。
寒河江さんはその後、裏メニューデザートをサービスしてくれて疾風と食べた。
帰り際、寒河江さんはわたしを引き留めて謝った。
「林さんごめんね、彼氏いたって知らなくて」
「えっ?」
「疾風、くん、彼氏だろう?」
疾風が目を丸くした。
違うぜと言いかけて、何を考えたのか否定しなかった。
「彼女じゃないけど…そうなったらいいかなっては思ってるよ」
「なっ、」
疾風、何を言い出して…!
口を塞がれて余計なこと言うなよって疾風がニヤッと笑った。
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