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ある日、龍一郎さんとりかに連れられてジュエリーショップを覗いた。
「あら?」
「え?」
マジマジとわたしの胸元を見つめる女性がいて声を掛けられた。
「そのペンダント…」
あ、そういえば疾風が言ってた。
『ムーンフェイス』のオーダーメイドのペンダントだって。
寒河江さんが妹が作ったものだけどって。
「もしかして、あなたが恵さん?」
突然声を掛けられてびっくりしたけど頷いたら、くすくすと目の前の女性が笑った。
「兄がいつもお世話になってます。寒河江の妹のマミです」
「あの、わたし…龍一郎さんとりかの友人で、えーと、林…恵です」
寒河江さんの妹はわたしに寒河江さんのことを教えてくれた。
「兄が失恋した時、そばにいて励ましてくれた女性がいてそのお礼がしたいって作ったのが、そのペンダントだったの」
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