誰よりも…恋してる

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――――――――――― ――――――――― ――――――― 退院して一週間ほどした頃、龍一郎さんとりかに連れられて行った店が、寒河江さんの店だった。 おしゃれな店内がいつもより花で溢れてる。 今日は何かがある日なのかな? 戸惑いながらいつもの予約席に座る。 わたしの席は寒河江さんが一生懸命に働いているのが見える席に座ってた。 いつものように寒河江さんが来て龍一郎さんとりかに挨拶にきてわたしにも声を掛けてくれた。 寒河江さんの姿に涙が出そうになったけど、ぐっと堪えた。 「今日は龍一郎さんが恵に紹介したいひとがいて」 「…うん、聞いてたから大丈夫」 退院したら、会ってほしいひとがいるって。 それを承知したのはわたし自身。 寒河江さんを諦めるって思ったから。 想い続けても苦しいだけだって思ったから… だから。
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