誰よりも…恋してる

27/28
前へ
/30ページ
次へ
寒河江さんは小箱から指輪を取り出してわたしの左の薬指にはめた。 「メグ…」 花束ごと抱きしめられて涙が溢れてく。 こんなに幸せでもう声が出ない。 片想いが実る。こんな奇跡ない。 「うわーん、良かったよぅ」 りかの泣き出す声と、 「やっと言いやがって」 龍一郎さんの少し呆れたような、それでもホッとした声とふたりの姿にもっと涙が止まらない。 「わぁ、おめでとう!ステキ!」 「オーナー、婚約おめでとうございます!」 「式には絶対に呼んでくださいねっ!」 お客様やスタッフたちが拍手で喜んでくれた。 寒河江さんとふたり、みんなの祝福を受けた。 「これ、俺たちと店のスタッフからだ」 スタッフが台車で運んできたものが目の前に。 大きなケーキ。 わたしが大好きなイチゴがたくさん飾られてる。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

208人が本棚に入れています
本棚に追加