放浪の審判者 -悲劇ニ終止符ヲ打ツ者-

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むかしむかし…そう、遠い遠い昔の話…。 この果てなき地平の彼方、遠い遠い何処かに、一つの宇宙群がありました。 その宇宙群は、特に変わった所もない、何処にでもあるごくありふれた宇宙群でした。 そこでは、人間達は神様を敬いながら一生懸命に働き、神様はそんな人間達に力を貸して恵みをもたらし、 人間達と神様が互いに手を取り合って平和に、豊かに暮らしていました。 そして、増えた人間達はいつしか社会を生み出し、文明を発展させはじめました。 しかし…そんなある時、人間達は思ってしまったのです。 人はいつか親離れをする。 それなら、自分たちも、そう、そろそろ親離れをするべきではないのか、と。 人間達は、神様に言いました。 「もう、助けはいらない、自分たちの力で生きていくから、手を出さずに見守っていてほしい」と。 神様はその言葉に頷き、こう言いました。 「やってみよ、もし本当に危ない時は、再びわたしが力になろう」と。
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