さん

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スッと目を細めた浩介が後ろを振り返って・・・・・・「チッ」舌を打つ なに? どうしたの? 髪をぐしゃぐしゃに掻き回し「タイミングがいいのか悪いのか」苦笑いを浮かべ、立ち上がった浩介 分からないけど、僕も 椅子から、立ち上がることにした 《ガチャン》 大きく開いた玄関のドア 太い腕、長い脚、全身の筋肉をしなやかに動かして、スニーカーを脱いだ兄ちゃん 上半身裸の浩介に、嫌そうな視線を向け 僕をみて 夜泣きの赤ん坊を泣き止ませ、恋を忘れた老人まで赤面しそうな笑みを浮かべた ドサッ 投げ落とす勢いでボストンバッグを床に置いて 「ただいま。薫」 「兄ちゃん!」 大きく広げた腕の中に、突撃! 飛び込んだって平気 体幹を鍛え上げた肉体は、ビクともしない ヒョイ 軽々と受け止めてくれた兄ちゃんが、僕の頭を撫で回してくる ほんの少し僕を抱き上げて 滑って転ぶことのないようにと、超過保護! 床を足の裏で拭いてから、ゆっくり下ろしてくれた 「いい子にしてたか。ん?」 強くて、紳士 いたずらっぽく魅力的な笑顔を見せる、闘志の男 そんな兄ちゃんしか知らない人は驚くだろう 弟の僕でさえ、顔が赤くなってしまうこのデレた表情を目にしたら 狂喜して失神してしまうかも 「薫」 あ、浩介 前に兄ちゃん、後ろに浩介 大きな男二人の間に、這いだす隙間もなく挟まれた
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