私たちとアイルのやばい夜

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その時私はあることを思い出した。 それはここに来る時バスの中で栄子が話していたことだった。 「彼が、お腹空かせてるんじゃないかって思うと心配になっちゃって…」 彼とは即ちこの「アイル」のことである。 見ての通りアイルは人形だ。その彼が「お腹を空かせている」と栄子は言ったのだ。確かにそう言ったのだ。 人形もお腹が空く物なのだろうか?もしそうなのだとしたらこいつはいったい何を食べているのだろうか? そんなことをぼんやり考えていた、その時だった。 「こんにちは」 (えっ?!) 私たちの目の前で明らかに聞き覚えの無い声が聞こえたのだ。 それは所謂不思議ちゃん系の女の子のような甘ったるいかわいい声だった。
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