私たちとアイルのやばい夜

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「僕アイルだよ」 その声でアイルは自分の名前を言った。 どうやらこの人形は喋ることができるらしい。 ちょっと驚いたけれど、落ち着いてみればよくある商品ではないか。 ん?いや待てよ?アイルを「商品」と言ってしまってもいいのだろうか? そりゃ確かにアイルは人形である。だけど栄子はアイルのことを「彼」と言っていた。 だから栄子に取ってアイルは「人形」と言う商品ではなく「人間」と言う生き物なのかもしれない。 うーん何だか頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。 「どう?かわいいでしょう?」 アイルを指さしながら栄子は私を見た。 「ん、うん、そうだね」 声はかわいいので一応同意しておいたが私は正直何とコメントしたらいいのか分からなかった。
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