プロローグ 理想の甘さ。

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「失礼します。飲み物をお聞きしていいでしょうか?」 ナイスタイミングで、メニューを持って浜ちゃんがやってきた。 ジンさんは少し考えてから、メニューに書かれているアイスティーを指差した。 綺麗な顔と比例して、骨張っていないすらりとした指先。 思わず、数秒見惚れてしまった。 浜ちゃんが飲み物を置くと、ドライヤーの補助に付いてくれた。 いや、イケメン見たさに、好奇心が勝ったに違いない。 ずっとジンさんの顔を見ている。 「あの、七階のスイーツのカフェのオーナーさんですよね」 「ああ。日本第一号店だ。是非、食べに来て下さい」 鏡越しに甘く笑われて、浜ちゃんの顔が分かりやすく真っ赤に染める。
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