プロローグ 理想の甘さ。

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――開店前のレジを担当していた時だった。 「くるみ、とうとう今日は遅刻したんだ」 同期の高瀬に爆笑されながら背中を叩かれた。 「遅刻って、朝礼に遅刻しただけじゃん。しかも、朝の番組が撮影してて大回りさせられたし」 「うお、朝からツンツン」 「うるさい!」 朝の蜂蜜を摂取できなくて、レジのカウンターに突っ伏してしまった。 ピンクを基調としたヘアサロン『Raspberry』は、最近オープンしたファッションビルの二階に出来たばかりのヘアサロン。 一階はジュエリー、二階はエステにサロンに化粧品、三階からは雑貨や洋服、最上階の7階には、色んなオシャレなレストランがある。
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