プロローグ 理想の甘さ。

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開店したてで、 何かしらの店が朝の番組で紹介されたりしてるおかげで、 スタッフ用の裏口に大きなワゴンカーが停まっていて邪魔で、 たださえ遅刻気味だったのに朝礼に間に合わないなんて、本当に腹が立つ。 「お前、今日は予約無いんだから、俺のサポートしろよ。俺、予約五人詰まってるから」 「私、この一カ月でシャンプーの腕がまた上がった気がする」 高瀬は、前の職場からの引き抜きだから、その時の担当の子が通って来てくれるから、予約はけっこうチラホラあるもんね。 垂れ目にかかった金髪の髪、すらりとした長い足、そしてツンツンした私みたいな女にでも笑って会話してくれるトーク力。 悔しいけど人気なのが分かるから仕方ない。
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