プロローグ 理想の甘さ。

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「浜ちゃん!?」 「ああああくるみさーん」 私に抱きついた浜ちゃんは、顔を真っ赤にして震えている。 「どうしたの?」 「イケメンです。絵画から切り取られたような、イケメンです!」 「えっ」 浜ちゃんの背後に、足が見える。 すらりと伸びるその足は、私とは腰の位置が明らかに違いすぎる。 「くるみ」 低い甘い声が、私の頭上から降ってきた。 へ? 「きゃあああ。高瀬さん、このイケメン料理人、くるみさんのお知り合いですー」 店内に浜ちゃんが逃げていくと、残されたのは、私と――見知らぬ外国人だった。 「やっと見つけた。くるみ」
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