プロローグ 理想の甘さ。

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「――っ」 びっくりした。イケメンが笑うと、こんなに甘くなるのか。 思わず私の胸がドキドキしてしまっているじゃんか。 店内に連れていくと、すぐに高瀬が心配して来てくれた。 「私指名のお客さんです」 「え、お前、大丈夫なの?」 「俺がくるみが良いと言ったので」 また外人さんが甘く笑う。 こう、背中が甘く痒くなる。 何者なんだろう。 簡単なアンケートを書いてもらうと、漸く名前が分かった。 「えっと、ブラフォードさんですね」 「ジンでいい。俺もくるみと呼ぶ」 お客を呼び捨てになんて出来るわけがなく、私は苦手な愛想笑いを顔に貼り付けた。 鏡の前に座ると、足が窮屈そうに折り畳まれた。 足、長すぎじゃないかな。
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