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「くるみは大きくなったな」
髪のゴムを外して、櫛要らずのサラサラの金髪の長さを見ていると、不意にそう言われた。
まるで、彼は私の事を知っているかのように、言う。
「その、――くるみの猫のような大きな目が堪らなく可愛い」
「猫、ですか。ツンツンしてて懐かないってよく言われるから間違いじゃないかもですが――……。ではシャンプー台へご案内します」
元々、トークがあまり得意ではない上に、さっきからジンさんの言葉や、私をじっと射抜くような瞳に、たじたじだ。
どう接したらいいのか、距離感とか会話とか、話し方とか、もう全てが分からない。
シャンプー台は、顔が隠れるからちょっとはマシだと良いな。
「さっきからくるみ、緊張してないか」
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