My Falling Love

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「だって、もうちょっとで冬休みじゃないですか。その間先輩が帰省しちゃったら暫く会えなくなると思うと悲しくて寂しくて、もう、胸が張り裂けそうで。いっそのこと先輩のこと僕の部屋に軟禁してしまいたいと思ったけど先輩もご両親と会いたいでしょうし、僕も将来義理の両親となる人たちに恨まれたくはないですし……でもやっぱり我慢出来なくて、今の内に先輩の全てを写真に収めておこうと思ったんです! もちろん電話やメールもあるけどやっぱり先輩の姿を見たいし、会いに行くにも先輩僕に住所教えてくれないじゃないですか! あ、それとも先輩が僕の実家に遊びに来てくれますか。ふふふ、楽しみです」 「圭都くん圭都くん、勝手に俺の冬休みの計画を決めるのはやめようね」 「えっ、来てくれないんですか!?」 「行かないよ、金ないし」 「交通費なら僕が払いますから!」 「そんなの悪いから貰えないよ。それに圭都くん部活でしょ」  そんな、先輩が気を病む必要なんかないのに。だって僕は先輩と会えないと思うだけで気が狂いそうになるんだから、部活を放棄しようが交通費を払おうが世界を滅ぼそうが先輩が僕の所に来てくれるなら僕は幸せだ。何ならそのまま先輩を軟禁して素敵な冬休みを満喫しようと思っていたのに。 「うーん、でも、そうか」  そう呟いて先輩は暫くの間何やら思考する素振りを見せた後、何かを閃いた顔をして口を開いた。  けれど、先輩の言葉が発せられるよりも前に昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴り響いた。  先輩の言葉を遮るなんて、罪深い予鈴だ。とはいえ『予鈴』を睨むことは出来ないので、僕は真っ青な空を仰ぎ睨み付けた。  でも、先輩の「昼休み終わったから、また後で話すね」 という言葉に僕は舞い上がって二つ返事をした。  これは、つまりまた後で先輩に会えるということだ。  冬休みまでの短い時間、先輩の姿をこの目に焼き付けておこう。そう決意して、一旦は先輩と別れた。
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