26 回帰

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 めちゃくちゃに走っているうちに、ジュストの顔や体は、木の枝や草のトゲに引っかかれて傷だらけになっていたが、ジュストはそれにも気づかず、ただひたすら走り続けた。  そして、 「っ……!」  突然、道が途切れたかと思うと。  次の瞬間、ジュストは真っ逆さまに、はるか下の川に落ちていた。  ジュストが気を失うと同時に、今度は、慧の別の記憶がまたオレの中に流れ込んできた。  崖から落ちたジュストは、それまでの一切の記憶を失い――  結局その後は、二度とそれを思い出すこともなく、別の土地で一生を終えた。
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