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その「望み」とはもちろん、慧の、オレへの思いを指していた。
「きみとあの小僧は、遠い昔から幾度も転生を繰り返してきたが、結ばれたことは一度もない。今回も当然そうなるだろう。ハドラスも、そう遠くないうちにきみたちの前に現れるだろうしね。ハドラスは、今でもあの小僧にかなり執着しているようだよ。へたに手を出したら、ハドラスが黙ってはいないだろうね」
九鬼は、慧の反応を見て楽しむようにニヤニヤ笑いを浮かべて言ったが、慧はその言葉に打ちのめされた。
(あの方と俺は……やはり、永遠に結ばれることはないのか)
慧は自分でも、たぶんそうなんじゃないかと思ってはいた。
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