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やっぱり来なければよかった。
最後の一切れのサンドウィッチを口に運び、氷が溶けて薄まってしまったカシスオレンジを喉に流し込むと、バッグを手にして立ち上がった。
そんなあたしに気づいた凪さんは慌ててあたしのところにやって来る。
その姿を見て心がふわっとあたたかくなった。
あたしって凄く単純だ。
「帰るのか?」
「はい。ごちそうさまでした」
「大丈夫?」
「え」
「一人で帰れる?」
「やだなあ、帰れますよ。もう迷子にはならないです」
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