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ずるいなー。
ただ微笑むだけであたしの心臓を激しく動かしてしまうなんて。
あたしがそういう顔をしても、凪さんは何も思わないのにね。
そう思うとずーんと気持ちが沈んでいく。
それを上げるために思わず手に取ったグラスを口につけてちびちびと飲んでいると、凪さんがあたしの顔を覗き込んできた。
「あれから、仁とはどう?」
「え、あ、友達……かな?」
「ははは、『かな?』って何?」
凪さんは笑いながらそう訊いてくる。
自分でも今のあたしと仁の関係がよくわからないのだ。
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